親を越えられない人たち

沖縄というところは、とことん特殊な場所だなぁと思う。わりと若い人でもずっとずっと沖縄にいて、外に出ない、という人がいるから。それはもちろん、他県のように土地続きで県をまたげる地理ではなく、海を越えなくてはならないという物理的な理由があるから。

沖縄を出られるタイミングは、ほとんどが高校を卒業するときだ。専門学校や大学から県外に出るという選択(ぼくはここで上京した)。もうひとつは就職を機に。人によっては転職や転勤がきっかけでいうこともある。ただここで、気になることがひとつ。

なぜかしら、県外に出ない人の理由として「親が許してくれないから」というのがある。これってほんとなに?なんなの? こればっかりは理解しにくいなぁ、と思うわけですよ。

もちろん、金銭的に負担も大きくなるし、身内の体調の問題など深い深い理由はそれなりにあるはず。だけど、親が許してくれないということを大きな理由にするのは少し話をすり替えてないか?と。自分が出たい、外を見たい、外で学びたい遊びたいという気持ちがあるなら、それをさ、「親」で言い訳にしちゃいけないよね。

高校のときの担任が、進学を決めるタイミングでこんな話をしてくれた。やっぱり沖縄の場合(わりと、田舎はそうなのかもしれないけど)親が県外に出るのを反対することは多いから「ほんとに出たいと思ったら、まずは親をちゃんと説得しなさい」と。つよく言われたのを鮮明に覚えている。勉強よりもなによりも、人生で一番最初の壁ってじつは親で、そこを越えられないと突き破れないものをある、と考えさせられた高校2年生。

で、やっぱり進学のときに親の壁を越えられない人って、数年経ってからの就職のときもまったく同じで、仕事での命令がないかぎりは外にでない。いや、出れないんだろう。尻込みして。親を言い訳にして。

実家を離れてみて、県外でいろんなものひとことに触れて、沖縄を外から眺めてみて、見えてくるものめちゃくちゃあると思うんだ。無理強いして「出ろ」とは口が裂けても言えないけど、外に出たいなら“親を説得すらできない”という情けない理由で動かないのはほんとにやめていただきたい。井の中の蛙状態の若者が増えると、沖縄はもっとバカになるから。

親は肉親なんだけど、実は他人だよ。その他人に応援されるようにしないと。親と子という関係は変わらずに、他人というひとりの人間としての付き合い方もできなければ、親を越えることはできないと思うわけ。どこで他人として、彼/彼女といい関係性を築けるのか、きっと試されてるよ。

さいごに、話それるけど、沖縄の外に出ない理由として「地元が好きだから」というの、ほんとのほんに止めて。地元が好きなら、余計に外でてみて比較したほういいし、外から何か持ち帰ってきたほうが、その「好き」の思いをかたちにしやすいだろうから。できない理由より、まずはできる理由考えようよ。なんくるないなさぁなんくるないさぁばっか言ってないで。観光街に並んだシーサー達の表情もゆがんでる気がするさ。