移住イベントは、だいたい二パターンに分かれる

ぼくの夏休みは終わらない。プライベートの自由研究としての『バケモノの子』を前に挙げたけど、ちゃんとした、いや、ちゃんとしたって言うのも変だけども、ライフワーク的な自由研究を挙げるなら「移住」や「商店街」というテーマがある。

「移住」だけについて触れると、土地から土地へ動くってエネルギーむっちゃいることだから、その人が移り住む理由が気になっちゃう。というのと、ぼく自身が同じところに留まれずにあちこち行きたくなるタイプなので、どうやったら自分が根ざせる場所が見つかるのか?という自己対話も含めて、公私ともに還元できるレベルで掘り下げていければと思っている。

振り返ると、「京都移住計画」のメンバーと知り合ったのが、そもそも「移住」という言葉を真面目に考えるきっかけだったなぁ。そこからプロジェクトに関わらせてもらったり、彼らが発信する情報を拾っては、自分なりに掘り下げ、他の地域に行ったときには移住にまつわる話を聞いてみたり、沖縄において移住における取り組みをはじめたり、いろいろな方法で「移住ってなんだろう?」と向きあってきた。

そう、そうやって考えてみると、移住イベントをやるときには、ふたつの段階(場)を意識しなきゃいけない気がしてきたぞ。

ひとつは、「そもそも移住ってなんだろう?」を考える場をつくること。ぶっちゃけると、「移住」ってとても大きくて重い言葉だと思ってしまう。そういうことに興味ない人からすれば、超無縁のような単語に聴こえるに違いない。だけど、移住について考えることは「自分の暮らし/働き方を考えること」だから、実はほとんどの人が参加できる理由がある。とぼくは思う。

ある意味、就活を考える学生だって移住イベントに参加することで、移住しなかったとしても、生き方のヒントを得るかもしれない。その場に参加する人たちのさまざまストーリーを共有してもらえば、それだけでもいい勉強になるだろうし。ということで、「移住」ってのを切口を変えてみて、その敷居を下げるような「そもそも移住ってなに?」を考える場づくりがまずひとつ。

で、ふたつめは、その次の段階とも言えて、それぞれが自分たちなりの「移住」をかみ砕いた上で、次のステップとして、移住する地域の選択肢を広げたり閉じたりするための場づくり。それは「全国各地のどっか」という幅広い選択肢から選びたい人もいるかもしれないし、「この県にする」と決めていて、そこからさらに地域を定めようとしている人だっている。

またそこに付随するように、どんな暮らしができるのか、どんな仕事があるのか、という疑問を掘り下げられるシカケも必要だ。それがより具体的になっていると、求人や住まいがありまっせ、マッチング情報を用意しておくことになったりね。もちろん、この段階でも「移住ってなに?」についての考えを揺さぶられつつではあるけど、実際に移住するための選択肢と、それを絞っていくための(相手に合わせた)基準を共有できる場の質があがればあがるほど、移住のアクションには繋がりやすい。

実は「移住した後に〇〇をしたい」というところを汲み取ると、「ただ移住したい」というのと「移住して地域を盛上げたい」というのは層が明らかに違うので、これらの属性の人たちをまとめちゃうとダメで、そこはセグメントして、移住イベントは打たないといけない。移住して地域を盛上げたい、と考えている人なんかは「地域仕掛け人市」とかが合ってるのかもね。

と、長々と書いてきたけど、再度まとめると、潜在的ニーズを掬う「移住ってなに?」と顕在的ニーズを拾う「どこに/どうやって移住できるの?」という二種類の移住イベントがあるといいのかも。その中で、参加者が自分たちでも考え、具体的なアクションに繋がるシカケをつくっていく。(あくまでこれは“移住検討者向け”の話であって、“移住受入者向け”だと各地域プレーヤーが集まってケーススタディできる「移住フェス」みたいなパターンもある)

最近の移住イベントを眺めていると、「どこに/どうやって?」の部分ばかりが協調され過ぎていて、そもそも論の大事なベースがないがしろにされているケースも見てとれる。地方創世ブームでお金も動きやすいからって、そういう雑な取り組みはホント止めてほしい。ゆっても、移住って大きな決断だからさ(そこに骨を埋めるとかそんな気負わなくても全然いいと思うけど)。

だからこそ、ちゃんと選ぶための前置きはしっかりと丁寧につくっていくこと。それは移住に携わる人なら大切にしてほしい意識だよなぁ。まあ、こうやってずけずけと書きながら、自分自身にもプレッシャーがずんずんのしかかってるくる感じが、M気質だな、と自分を再確認中でございます。